休館期間中もファンとつながるためのデジタル施策/泉屋博古館様

休館期間中もファンとつながるためのデジタル施策/泉屋博古館様

泉屋博古館様のMetabadge(メタバッジ)導入の経緯や展望、活用法などをご紹介します。

 

泉屋博古館(京都本館)

https://sen-oku.or.jp/kyoto/

1. 会社とご担当者様について

泉屋博古館は、住友家が所蔵してきた美術品を広く公開するために設立された美術館で、京都と東京に拠点を持っています。今回は、京都の泉屋博古館におけるMetabadge導入の背景と活用事例についてお話を伺いました。
今回ご対応いただいたのは、学芸員の山本様と、広報を担当する坂井様です。

2. 導入前の課題

Q:Metabadgeを導入する前、どのような課題を感じていましたか?

 Metabadgeを導入した当時、泉屋博古館(京都本館)は改修工事のため休館しており、展覧会は休止していました。そのため、通常の広報活動を行うことがなく、美術館のPRができませんでした。
ホームページやSNSでの発信は続けていましたが、日常的な投稿には限界があり、何か新しいアプローチが必要だと感じていました。


Q:休館中の発信施策として、Metabadgeの活用を検討したきっかけは何ですか?

以前、六本木一丁目の泉屋博古館東京でCOCOARを活用したスタンプラリーを実施し、評判も良かったため2023年秋には京都本館にもとり入れました。その流れでMetabadgeを紹介され、「システムを作り込まなくても、既存のパッケージでクイズや検定、投票などが実施できる」と伺いました。
ちょうどリニューアル期間で、発信するコンテンツを模索していたこともあり、「Metabadgeを活用すれば、休館中でも泉屋博古館の所蔵品を活用した広報活動ができるのでは」と考え、導入を決めました。

3. Metabadgeを選んだ理由

Q:他のツールと比較して、Metabadgeのどのような点が魅力的でしたか?

 まず、Metabadgeは月額制で導入しやすく、比較的リーズナブルに様々な企画に利用できる点が魅力でした。
また泉屋博古館は、美術館の本質的な役割として、所蔵品の保存や展示だけでなく、「作品の歴史や背景を、一般の方々に分かりやすく伝える」教育普及にも重きを置いています。しかし、休館という状況下では、来館を伴う体験を提供できず、どのように教育普及を継続していくかが課題でした。
そのような来館できない状況でも、Metabadgeを活用することで参加者に楽しみながら泉屋博古館の作品の魅力に触れてもらう機会を創出し、教育普及の観点からも意義のあるものが作れると感じました。

Q: 実際に導入を検討する際、決め手となった要素は何ですか?

システムはパッケージで提供されていますが、カスタムデザインにも対応すると伺ったことで、素敵な画面づくりができると思い、導入を決めました。
また、当館は非常に少ない人数で運営しており、特に今回のようなデジタル施策に関しては、実質的に私と山本の2人で企画から運用までを担っていました。そうした中で、Metabadgeのようにシステム開発を必要とせず、パッケージとして用意された機能を使って比較的簡単にコンテンツを組み立てられるツールは非常にありがたかったです。少人数の館でも十分に運用していけると感じたのが、導入の決め手のひとつです。

4.Metabadgeで実施した施策と結果

Q:Metabadgeを活用して、どのような施策を実施しましたか?

 休館中の発信施策として、「泉屋博古館を忘れさせない」ことを目的に、検定コンテンツ、クイズ&フォトコンテスト、投票企画を実施しました。

<しきょうそん探偵からの挑戦!「青銅器検定」>

【企画概要】

本企画では、青銅器に親しんでもらうための初級編と、青銅器に精通しているコアファン向けの上級編の二種類のクイズを展開しました。正解数に応じて、自分の青銅器レベルがわかります。

【実施時期】

青銅器検定:2024.4.28~2025.1.31

青銅器検定上級編:2024.7.20~2025.1.31

【成果や課題】

青銅器検定

アクセス数:4445件 回答数:2103件

青銅器検定上級編

アクセス数:1506件 回答数:891件

本企画はホームページや各種SNSと、複数のツールで展開しました。想像以上に多くの方に参加いただき、泉屋博古館の熱心なファンが可視化されたのが大きな収穫でした。一方で、問題が難しすぎるという声もあり、次回以降の難易度調整が課題として浮かび上がりました。

<クイズに答えてスタンプをGET!「こゆうと泉屋博古館」>

【企画概要】
本企画では、カスタムデザインでなくパッケージを使用し、青銅器になじみのない方に興味をもっていただく施策として一問一答形式のクイズを全4問展開しました。クイズに正解するとスタンプが獲得でき、4つのスタンプを集めた特典として3Dの青銅器ARがもらえます。獲得した青銅器ARを好きな場所に設置して写真を撮ることができます。スマホでの参加がのぞましいためXのみで実施しました。
【実施時期】
2024.11.11~2024.12.25
【成果や課題】
アクセス数:911件 回答数:729件
ARデータを活用した写真の投稿が多く寄せられました。特に、ARでの撮影を楽しみ、何度も投稿してくださった参加者の方は、撮影技術がどんどん上達していかれ、目を見張りました。しかし中には、次の画面に誘導するボタンが見えにくくスタンプカードにたどりつかなかったり、途中で表示されるARをスタンプと間違い、スタンプをためられなかったりという事がありました。ですが担当者の方と都度相談して説明を増やしたり、導線をビジュアルにしてXに投稿したりと一緒に解決していきました。次回以降にはこの経験を活かせればと思います。

<みんなで選ぼうベストフォト賞!「#青銅器AR フォトコンテスト総選挙」>


【企画概要】
本企画では、フォトコンテストで投稿された作品の人気投票を実施しました。参加者が気に入った作品に投票する形式です。
【実施時期】
2025.1.24~2025.2.10
【成果や課題】
アクセス数:318件 回答数:102件
投票企画に関しては、システム上、1人1回しか投票できないようになっていたため、そこが改善されれば、もっと盛り上がったかもしれないと感じています。しかし皆さんの力作を総覧する機会を作る事が出来たので、参加してくださった皆さんとつながれた気がしました。

5.フォローアップへの感想

Q:Metabadgeのフォロー体制はいかがでしたでしょうか?

 Metabadgeのフォロー体制については、導入時から運用まで、一貫してサポートを受けられる体制が整っていたと感じています。特に、初期の段階でどのような施策が可能か、具体的な活用事例を交えて提案いただけたのは助かりました。

施策を進める中で、想定していた形と異なる点が出てきた際にも、随時相談でき、解決策を一緒に考えていただけたのは心強かったです。また、実施後のデータ提供や振り返りについても、定期的にフィードバックをいただけたため、「次回の施策に向けてどこを改善すべきか」が明確になり、単発で終わらず、継続的な運用につながる仕組みが作れたと感じています。

Q:クラウドサーカス社の担当者の対応について、どのように感じましたか?
クラウドサーカス社の担当者の方々には、非常に丁寧に対応していただきました。特に、初めてのデジタル施策に取り組む際に、こちらの要望を汲み取りながら、「どのような形なら実現可能か」を一緒に考えてくださったのが印象的です。
一方で、ツールの仕様や制限について、もう少し早い段階で明確に共有いただけていたら、よりスムーズに進められた部分もあったかもしれません。とはいえ、都度対応をお願いした際には、迅速に調整いただき、可能な範囲で柔軟にサポートしてもらえたため、結果的には大きな問題なく施策を実施することができました。

6.今後の展望

Q. 今後、どのようなデジタル施策を検討されていますか?
今回の経験を踏まえて、今後は
リアルの展覧会とデジタル施策を組み合わせた取り組みを考えていきたいですね。例えば、展覧会と連動したデジタルクイズや、来館者限定のオンラインコンテンツなど、新しい試みを検討しています。

Q. 最後に、今回の取り組みを振り返って感じたことをお聞かせください。
今回の施策では、泉屋博古館のファンの方々の存在を強く実感することができました。特に、検定やフォトコンテストに何度も挑戦してくれる方がいることは、館にとって非常に励みになりました。
また、デジタル施策は、リアルの展覧会ではリーチできない層にも情報を届ける手段として有効だと感じました。今後は、美術館の特性を活かしつつ、デジタル施策を上手に組み合わせていきたいですね。


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