観光業界におけるSNSキャンペーンは、ユーザーのリアルな口コミ(UGC)を誘発し、効果的に認知度や来訪意欲を高める重要なマーケティング手法です。特に、スマートフォンでの情報収集が当たり前になった現在、観光地の魅力を視覚的に伝えるInstagramや、リアルタイムで情報を拡散するX(旧Twitter)といったプラットフォームとの相性は抜群と言えます。多くの成功事例を参考に、自社に合った企画を立てることが求められています。
本記事では、観光・レジャー業界でSNSキャンペーンを活用すべき理由から、具体的な手法、2025年最新の観光関連の成功事例7選、そして企画を成功に導くポイントまでを網羅的に解説します。
この記事は、以下のような課題を持つ方に特におすすめです。
このような課題をお持ちの観光・レジャー業界のマーケティング担当の方は、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
なぜ今、多くの観光地やレジャー施設がSNSキャンペーンに力を入れているのでしょうか。それは、SNSが持つユーザーとの距離の近さや高い情報拡散力が、観光・レジャー業界の特性と非常にマッチするためです。本セクションでは、その具体的な理由を深掘りします。
現代において、SNSは旅行のあらゆる段階で活用される、不可欠な情報インフラとなっています。旅行を計画する「旅マエ」、旅行中の「旅ナカ」、そして旅行後の「旅アト」という一連のカスタマージャーニーにおいて、SNSはユーザーの意思決定や行動に大きな影響を与えます。
例えば、ユーザーはInstagramのハッシュタグや位置情報検索機能を活用し、旅行先のリアルな雰囲気を探します。「#〇〇旅行」や「#〇〇カフェ」といったキーワードで検索を行い、他のユーザーによる投稿を参考に、行き先・ホテル・飲食店などを決定することが一般的になっています。その際、企業や自治体の公式アカウントからの発信以上に、一般ユーザーによるUGC(ユーザー生成コンテンツ)が、信頼性の高い情報源として重視される傾向にあります。
旅行中に訪れた場所や体験したことを、その場でX(旧Twitter)やInstagramのストーリーズ機能でリアルタイムに共有するユーザーも少なくありません。こうしたリアルタイムの共有は、それを見たフォロワーの「行ってみたい」という気持ちを即座に刺激するため、非常に高い宣伝効果を生み出します。
旅行の思い出をまとめた写真や動画をInstagramやTikTokに投稿することは、旅の体験を完結させるための重要なプロセスとなっています。そして、このようにして投稿されたコンテンツは、次の旅行を検討している他のユーザーにとって、非常に価値のある一次情報となるのです。
観光・レジャー業界でSNSキャンペーンを成功させるためには、目的に応じて適切な手法を選択することが重要です。ここでは、代表的な3つのキャンペーン手法について、その特徴と効果を解説します。これらの手法を組み合わせることで、より戦略的なプロモーション展開が可能です。
UGC(ユーザー生成コンテンツ)とは、一般ユーザーによって作成・投稿されるコンテンツの総称です。企業発信の情報よりも「リアルな声」として信頼されやすい特徴があり、UGCの創出を促すことはSNSマーケティングの核となります。
UGC促進キャンペーンの最も代表的な手法が、ハッシュタグキャンペーンです。これは、特定のハッシュタグ(例:「#〇〇の夏休み」)を設定し、ユーザーにそのハッシュタグを付けた写真や動画の投稿を促すものです。この方法で集まった投稿は、そのままリアルな口コミとして機能し、他のユーザーの来訪意欲を刺激します。また、参加のハードルが低いため、多くのユーザーを巻き込みやすい点が大きなメリットです。
フォトコンテストも有効な手法です。「絶景」や「グルメ」といった特定のテーマで写真を募集し、優秀作品に賞品を贈る形式のキャンペーンを指します。この手法は、クオリティの高い写真が集まりやすいため、地域の魅力を効果的にアピールできるという利点があります。さらに、応募された優れた作品は、企業の公式アカウントやウェブサイトで二次利用することにより、将来にわたって活用できるコンテンツ資産として蓄積していくことも可能です。
インフルエンサー(特定のコミュニティで強い影響力を持つ人物)を起用し、商品やサービスをPRしてもらう手法です。特に、特定の趣味・嗜好を持つ層にアプローチしたい場合に高い効果を発揮します。
ギフティング・サンプリングは、インフルエンサーに自社の施設やサービスを無償で体験してもらい、その感想をSNSで投稿してもらう手法です。インフルエンサー自身の言葉で語られるリアルな体験談は、フォロワーから高い共感と信頼を得られるという効果があります。さらに、得意分野の異なる複数のインフルエンサーに依頼すれば、より多角的な視点から施設の魅力を発信することも可能です。
一方、タイアップ投稿は、費用を支払ってインフルエンサーと共同でPRコンテンツを制作・投稿してもらう手法を指します。この手法を成功させるためには、まずターゲット層と親和性の高いインフルエンサーを選定することが何よりも重要です。その上で、キャンペーンの目的や伝えたいメッセージをインフルエンサーと明確に共有し、双方の世界観を合わせた質の高いクリエイティブを制作することが成功の鍵となります。
オンラインのキャンペーンと、オフライン(現地)での体験を組み合わせることで、より深いエンゲージメントを構築する手法です。来訪促進に直結しやすいという大きなメリットがあります。
ユーザーの参加を直接的に促す手法として、SNSなどで実施できる投票やクイズといった企画も非常に有効です。
例えば、動物園や水族館で「推し動物総選挙」を開催したり、テーマパークで「次に見たいパレードのテーマ」を投票で決めたりする企画は、参加のハードルが低く、多くのユーザーを巻き込むことができます。また、施設や地域に関するクイズを出題する企画も、ユーザーに楽しみながら知識を深めてもらう良い機会となります。これらの企画は、ユーザーに「自分も運営に参加している」という当事者意識を持たせ、コメント欄での会話を活性化させるため、ファンとの絆を深める効果が期待できます。
チェックイン・スタンプラリーキャンペーンも、来訪促進に有効な手法です。これは、複数の観光スポットや店舗にチェックポイントを設け、SNSアカウントの提示や特定の投稿を条件に特典を付与するものです。この企画は、参加者にエリア内を周遊してもらうことで地域全体の活性化に貢献します。同時に、ユーザーはゲーム感覚で参加できるため、高い満足度を得られるというメリットもあります。
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UGC創出やフォロワーの定着(ファン化)に最適!
ここでは、実際に観光・レジャー業界で実施され、大きな成果を上げたSNSキャンペーンの成功事例を7個、厳選してご紹介します。各事例から、自社のプロモーションに応用できるヒントを見つけていきましょう。
すみだ水族館が実施した「LOVE推しペン超選挙」は、一羽一羽のペンギンの個性的なキャラクターにスポットを当てた、ファンの心を掴む人気投票キャンペーンです。この企画では、飼育スタッフだけが知るペンギンたちの性格や行動、他のペンギンとの関係性などを詳細に紹介。ファンは、その情報をもとに自分だけの「推しペン」を見つけ、投票することができます。
SNSでは「#推しペン」のハッシュタグで応援コメントが飛び交い、来館せずともInstagramのフォローで投票できる仕組みで大きな盛り上がりを見せました。生き物たちを「個」として魅力的に紹介することで、ファンとの深い絆を築き上げた、非常に優れた参加型キャンペーンの事例です。
大手旅行会社のH.I.S.は、旅好きの女性を「タビジョ」と名付け、ハッシュタグ「#タビジョ」を付けた投稿を促すコミュニティマーケティングを展開しています。このハッシュタグが付いた投稿は200万件以上にのぼり、旅に関する巨大なUGCプラットフォームとなっています。特定のターゲット層に特化し、彼女たちの自己表現の場を提供することで、強力なファンコミュニティを形成した成功事例です。
画像引用元:https://www.instagram.com/tabi_jyo?igsh=ZHduczk5ZGJpYzZn
群馬サファリパークでは、人気者のホワイトタイガーの双子の誕生日を記念し、ユニークなキャンペーンを実施しました。この企画では、ファンが双子に贈るプレゼントの内容を投票で決めることができます。このキャンペーンの特筆すべき点は、動物をただ「見る」対象から、ファンが応援し、その成長やイベントに直接関わることができる「推し」の対象へと昇華させていることです。ファンは「自分が選んだプレゼントを喜んでくれるかな」という、当事者としての強い想いを抱きながら企画に参加します。このような共創型の体験は、ファンと施設との間に深い絆を生み出し、長期的なロイヤルティを育む上で非常に効果的な手法です。
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LCCのPeach Aviationが実施した「#桃一Peach選挙」は、選挙を巧みにパロディ化したユニークな企画で、SNSを中心に大きな話題を呼びました。このキャンペーンは、客室乗務員や整備士といった職種を「政党」に、現場で働くスタッフを「候補者」に見立て、ユーザーに「推し」の職種へ投票してもらうというものです。
統一地方選挙という社会的なイベントにタイミングを合わせつつ、若者にとって少し堅いイメージのある「選挙」を、身近な「推し活」のカルチャーに置き換えた斬新な切り口が多くの共感と参加を促進。楽しみながら参加できる企画で若者層の心を掴み、ブランドイメージ向上に大きく貢献した成功事例です。
遊園地のよみうりランドが毎年冬に開催する「ジュエルミネーション」では、SNSのキャンペーンとしてフォトコンテストを行いました。指定のハッシュタグ「#ジュエルミネーション」を付けて来場者が撮影した写真を投稿すると、豪華賞品が当たるという企画です。来場者は自身の思い出を投稿するだけでなく、「受賞」という明確な目標を持って撮影に臨むため、質の高いUGCが大量に集まります。季節イベントの集客とPRを最大化する王道のキャンペーン手法です。
天王寺動物園が開園110周年を記念して実施した「どうぶつ総選挙」は、単なる人気投票に留まらない、ファン参加型のコミュニケーション企画です。このキャンペーンでは、まずX(旧Twitter)上で予選選挙を実施。園内の4つのエリアから選抜された計16種の動物たちが、それぞれの立場から環境問題や生物多様性の現状を「主張」するというユニークなコンセプトで注目を集めました。
SNSでの予選を勝ち抜いた動物による決勝大会は、園内に特設ブースを設けて来園者による投票を行うなど、オンラインとオフラインを巧みに連携。来園者はガチャガチャを回して投票に参加できるなど、ゲーム性も取り入れられています。動物たちの魅力だけでなく、彼らが直面する課題についても楽しく学べる、教育的価値も兼ね備えた秀逸な参加型キャンペーンです。
「旅をジェニックに。」をコンセプトに、非日常的な体験を提供する星野リゾートは、その圧倒的なブランドイメージをSNS上でさらに高めるため、公式フォトコンテストを巧みに活用しています。その代表例が、現在「星野リゾート トマム」で開催されている雲海テラス20周年記念のSNSコンテスト「私と雲海テラスの思い出」です。
このキャンペーンは、宿泊者が体験した感動的な風景や最高の瞬間を、指定ハッシュタグ(#星野リゾートトマム雲海テラス20周年)と共に投稿してもらう形式です。入賞者には宿泊券という高価値なインセンティブを用意することで、単なる参加だけでなく、ブランドイメージにふさわしいハイクオリティな写真の投稿を促しています。
この戦略の最大の強みは、宿泊客による本物の体験談と写真が、何より信頼性の高い広告として機能する点です。第三者が発信する美しい写真は、まだ訪れたことのない潜在顧客の「いつか自分もあんな体験をしてみたい」という強い憧れを喚起します。ファンが発信する質の高いコンテンツが、新たなファンを呼び込むという、理想的なサイクルを生み出す事例です。
数多くの成功事例を見てきましたが、これらのキャンペーンにはいくつかの共通する成功法則が存在します。ここでは、自社のキャンペーンを成功に導くために不可欠な3つのポイントを解説します。これらのポイントを押さえることで、キャンペーンの効果を最大化できるはずです。
キャンペーンを始める前に、その目的を明確にすることが最も重要です。目的が曖昧なままでは、適切な手法の選択も効果測定もできません。
「若年層の認知度を20%向上させる」「公式サイトへの流入数を1.5倍にする」「〇〇への来訪者数を前年比10%増やす」といったように、何を達成したいのかという最終目標を、具体的な数値で設定することが重要です。
KGIを達成するための中間指標(KPI)を設定します。SNSキャンペーンにおけるKPIには、以下のようなものがあります。
これらの指標を事前に設定し、定期的に観測することで、キャンペーンが順調に進んでいるか、改善すべき点はないかを客観的に判断できます。
SNS上では、日々膨大な情報が流れています。その中でユーザーの指を止め、心を動かすためには、クリエイティブの質が決定的に重要です。
まず、観光・レジャー業界では、美しい風景や美味しそうな料理といった視覚に訴える要素が非常に強力です。そのため、使用する写真や動画は、ユーザーが「きれい!」「行ってみたい!」と直感的に感じるような、高品質なものを用意する必要があります。
次に、ユーザーが「わかる!」「面白い!」と感じるような、共感性の高いコンテンツはシェアされやすい傾向にあります。また、「こんな楽しみ方があったのか!」という意外性のある切り口も、ユーザーの興味を強く引き、拡散に繋がりやすい要素です。
さらに、各SNSプラットフォームには、それぞれ最適なフォーマットが存在します。例えば、Instagramならショート動画(リール)、Xなら速報性のあるテキストと画像、TikTokなら音楽に合わせたリズミカルなショート動画など、媒体の特性を深く理解し、それに合わせたクリエイティブを制作することが重要です。
SNSキャンペーンは、一度実施して終わりではありません。キャンペーンを通じて繋がったユーザーと継続的にコミュニケーションを取り、長期的なファンとして育成していく視点が不可欠です
例えば、ユーザーから寄せられるコメントや質問には、できる限り丁寧に対応することが基本です。こうした誠実なコミュニケーションが、企業や地域への信頼感と愛着を育みます。
加えて、ハッシュタグキャンペーンなどで投稿されたユーザーの投稿(UGC)を、公式アカウントで積極的に紹介(リポストや引用)することも有効です。自分の投稿が取り上げられたユーザーは喜びを感じ、より熱心なファンになってくれる可能性が高まります。
そして、キャンペーン終了後も、継続的に地域の魅力や次のイベント情報を発信し続けることが重要です。常に価値のある情報を提供し続けることで、ユーザーにフォローし続けてもらう理由が生まれ、将来のプロモーション効果をさらに高めることができるのです。
本記事では、観光・レジャー業界におけるSNSキャンペーンの重要性から、具体的な手法、最新の成功事例7選、成功のためのポイント、そして実施時の注意点までを網羅的に解説しました。
SNSは、現代において切り離せない存在です。ユーザーの「行ってみたい」という気持ちを醸成し、リアルな口コミ(UGC)を創出するSNSキャンペーンは、今後ますます重要なマーケティング手法となるでしょう。
成功の鍵は、目的を明確にし、ターゲットの心に響く「自分ごと化」できる企画を設計することです。そして、キャンペーンで得たユーザーとの繋がりを大切にし、継続的なコミュニケーションを通じて長期的なファンを育てていく視点を持つことが、持続的な成果に繋がります。
今回ご紹介した成功事例やポイントを参考に、ぜひ貴社の魅力を最大限に引き出すSNSキャンペーンの企画・実施に挑戦してみてください。
「推し動物の総選挙」や「イルミネーションのフォトコンテスト」、「園内を巡るクイズラリー」など、ファンの心を掴むキャンペーンは、施設や地域の魅力を伝え、来訪を促す上で非常に効果的です。しかし一方で、「面白い企画は思いついたけれど、どうやって実現すればいいのか」「専門的なシステム開発やデータ管理が大変そうだ」といった課題を感じている担当者様も多いのではないでしょうか。
クラウドサーカスが提供する「Metabadge(メタバッジ)」は、そうした課題を解決し、ファンとの関係性を深化させるファンマーケティングツールです。クイズや投票といった参加型キャンペーンのテンプレートが豊富に用意されており、専門知識がなくても手軽にSNSキャンペーンを始めることができます。
またキャンペーンに参加したユーザーにデジタルバッジを付与することができるため、
キャンペーンを一過性のイベントで終わらせず、顧客との継続的な関係づくりに繋げられることができます。集めたバッジはマイページでいつでも見返すことができ、コレクションする楽しさが継続的なエンゲージメントを促進します。
さらに、バッジの保有状況に応じて限定特典を提供することも可能で、顧客を特別なファンへと育成する強力な動機付けとなります。さらに、管理画面では投票結果やファンの動向をデータで可視化できるため、キャンペーンの効果測定や、次の企画立案にも役立てることが可能です。
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