【ファンマーケティング成功事例10選】成功のための手法・メリット、注意点も解説!

【ファンマーケティング成功事例10選】成功のための手法・メリット、注意点も解説!

ファンマーケティングとは、ブランドや製品に強い愛着を持つ「ファン」として関係を築き、彼らを中心にして施策を行うマーケティング手法です。

SNSが普及した現代において、企業におけるファンマーケティングへの取り組みの重要性は高まっています。早くからファンマーケティングに取り組み、現在では大きな成果を得ている企業も多くいます。

本記事では、ファンマーケティングの基礎知識やメリット、成功させるポイントに加え、実際の成功事例などを網羅的に解説します。


ファンマーケティングとは?

ファンマーケティングとは、顧客を単なる消費者として捉えるのではなく、ブランドや製品に強い愛着を持つ「ファン」として関係を築き、彼らを中心にして施策を行うマーケティング手法です。

ファンは単に製品を購入するだけでなく、口コミやSNSなどを通じて自発的にブランドを広め、他の人々にも影響を与えます。

ファンマーケティングでは、従来の一方向的な広告とは異なり、ファンとの双方向的なコミュニケーションを大切にし、信頼関係を構築することがポイントです。コアなファンを醸成することで、新規顧客へのコストも削減でき、長期的なブランドの成長や収益の安定に貢献します。

参考:ファンマーケティングとは?定義や手法、成功事例をわかりやすく解説!

ファンマーケティングを実施するメリット

ファンマーケティングを実施すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか?主な4つのメリットについて解説します。

新規顧客の獲得

ファンマーケティングを通じて、ブランドに対する信頼と共感が広がることで、新規顧客の獲得が促進されるというメリットがあります。ファンが自発的に商品やサービスをSNSや口コミでシェアすることで、潜在顧客への認知拡大が期待できるためです。

広告とは異なり、ファンからの推奨は信頼性が高いため、新たな顧客の心をつかみやすく、コストパフォーマンスの良い集客を実現できます。

顧客のファン化による収益安定化

ファンマーケティングの大きなメリットは、既存顧客がファンとしてブランドを支持し続けることで、収益が安定する点です。一度購入して終わる顧客ではなく、長期的なリピーターとなることで、定期的な収益を確保できます。既存顧客に上位商品を購入してもらう「アップセル」や、購入商品と異なる商品を購入してもらう「クロスセル」なども見込めます。

またファンは新商品やイベントにも積極的に参加する傾向にあります。結果として、長期的な収益基盤の強化に繋がります。

ファン同士のコミュニティ形成

ファンマーケティングを通じて、ファン同士が交流できるコミュニティの形成につながるのもメリットの一つです。このコミュニティは、ファン同士が共通のブランドや製品に対して意見交換をしたり、互いにサポートし合う場となり、ブランドへのロイヤリティをさらに高める効果があります。

ファンのコミュニケーションの活性化だけでなく、拡散による新規顧客の獲得や、競合他社に流入するのを防ぐことも可能です。コミュニティ形成によって、ブランドをより身近に感じてもらうことができ、長期的なコアファンとなる可能性が高まります。

ユーザーからの良質なフィードバックを得られる

ファンマーケティングを通じて、ユーザーから直接フィードバックを得ることができ、商品やサービスの改善に役立てることができます。ファンはブランドに対して積極的に意見を発信するため、企業側も顧客のニーズを深く理解しやすくなります。

こうしたフィードバックを基に、より魅力的な製品やサービスを提供できれば、さらに多くのファンを獲得し、ブランドの成長に繋げることが可能です。

企業側にとっても、ファンの声を直接聞く貴重な場となり、マーケティング活動に役立てることが可能です。

ファンマーケティングの成功事例10選

実際にファンマーケティングを実施した企業について、10社の成功事例を紹介します。

カゴメ株式会社

野菜ジュースや健康食品などの製造・販売を行うカゴメ株式会社は、ファンコミュニティサイト「&KAGOME(アンドカゴメ)」を運営しています。同社の製品のレビュー機能に加え、製品を使用したレシピの紹介など、ユーザーが参加できるコンテンツが豊富に提供されているのが特徴です。

他にも、ファンの意見を聞く座談会をはじめ、会員を対象にしたクイズ大会や工場見学などの施策を実施しています。ファン同士がシェアできる「トマコミ」という掲示板では、同社がユーザーにトマトの苗をプレゼントし、ユーザー同士がその成長記録を報告し合うことが可能。

ファン同士が交流を楽しめる場を提供することで、熱量を高めることにつながっているほか、離脱を防ぐ仕組みづくりを実現しています。既存ファンだけでなく、新規ファンも熱狂度合いに関わらず気軽に楽しめるのが成功ポイントです。

参考元・画像引用元:みんなとカゴメでつくるコミュニティ &KAGOME(アンドカゴメ)

無印良品

良品計画が運営する無印良品は、雑貨や衣服、食品など、幅広い商品を製造・販売しており、幅広い層で熱狂度の高いファンを獲得しています。

ファンマーケティングにおいては、ユーザーとの積極的な共創を目的としたオンラインコミュニティ「IDEA PARK」を運営しています。オンラインでの関係強化に力を入れ、インフルエンサーと共に無印良品を創り上げる「アンバサダープロジェクト」を実施しているのも特徴。具体的には、同社の商品をSNS等で発信するインフルエンサーとタッグを組んだ新商品開発の実施や、商品ページへのUGC(ユーザー生成コンテンツ)掲載などに取り組んでいます。

ファンの意見や提案を取り入れながら、アンバサダーと同社がウィンウィンとなる企画を実施することで、商品購入やSNSでのシェアなど、積極的なアクションを促すことに成功しています。

参考元・画像引用元:IDEAPARK | 無印良品

無印良品

日用品、化学品メーカーである株式会社サンギは、ファンの声を活かした美白歯磨き粉「アパガード」の開発に取り組み、X(旧Twitter)において、フォロー&リツイートキャンペーンを実施しました。

ファンの増加を目的とした同企画は、企業の公式アカウントをフォロー&リツイートしたユーザーの中から、20名に自社商品をプレゼントするというもの。目的だったフォロワー増加(2024年10月時点でフォロワー7.3万人)に加え、SNSをきっかけにした購入者の増加、ファン獲得も実現しました。

自社の目的に合った企画の立案・実施によって、大きな成果獲得につながっている良い例です。

参考元・画像引用元:美白歯みがき アパガード【(株)サンギ公式】(@apagard_pr) / X

アサヒビール株式会社

日本の大手ビールメーカーであるアサヒビール株式会社は、同社初となるD2C事業「THE DRAFTERS(ドラフターズ)」を運営しています。同サービスは、毎月ミニ樽のアサヒスーパードライが届き、自宅で生ビールを気軽に楽しめるというものです。

同社はユーザーコミュニティ運営にも積極的に取り組んでおり、ユーザー同士が直接交流することができるサービス会員限定のLINEオープンチャット運営の他、定期的に開催される会員限定のリアルイベント「THE DRAFTERS DAY」などを実施しています。

ファンコミュニティを通してユーザーにもブランドを育ててもらうことで、商品販売以外の新たな価値を生み出し、熱狂度の高いファンの獲得を実現しています。

参考元・画像引用元:アサヒ ドラフターズ|本格泡リッチサーバーをレンタルする生ビール新サービス

ユニ・チャーム株式会社

衛生用品の大手メーカーであるユニ・チャーム株式会社は、Instagramを活用したファンマーケティングに成功しています。

同社はベビー用品「マミーポコパンツ」の公式ブランドアカウントを運用し、商品紹介に加え、育児中のユーザーにインタラクティブなコミュニケーションを通して良好な関係を築いているのが特徴です。

ユーザー同士が気軽にコミュニケーションを取れる場を提供することで、ユーザーは商品への愛着や共感を抱くようになり、同商品の継続的な購入を促したり、競合他社への流入を防ぐことができます。積極的なシェアによる新規顧客獲得にも効果的です。

参考元・画像引用元:マミーポコパンツInstagram公式アカウント(@mamypokojp_official)

株式会社マーベラス

ゲームソフトの企画・開発や音楽・映像コンテンツ事業などを展開する株式会社マーベラスは、バレンタインシーズンに診断コンテンツを活用したファンマーケティングを実施しました。

同規格は、スマートフォンゲーム「千銃士:Rhodoknight」に登場するキャラクターの内、誰にチョコを渡すかを診断できるというもの。ユーザーに楽しんでもらえるコンテンツを提供することで、高い顧客満足度や積極的なSNSの投稿、または拡散などが期待できます。

診断コンテンツの提供は、ファンの熱狂度合いの向上にも寄与するほか、拡散による新規顧客獲得やさらなるファン化、休眠ユーザーのゲーム復帰など、様々な効果が見込めます。

参考元・画像引用元:既存ユーザーをうまく巻き込んだ「ドキドキ!?チョコっと貴銃士診断」 | 診断マーケティングトレンド

株式会社ワークマン

ワーク関連用品の専門店チェーンを展開する株式会社ワークマンは、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を活用したファンマーケティングに成功しています。

同社の製品を継続購入している顧客や、SNSなどで発信している顧客などを「ワークマン公式アンバサダー」と認定し、発表会などのイベントに招待しています。熱狂度の高いユーザーをアンバサダーと認定することで、顧客の熱狂度を高められる上、さらに積極的な情報発信を促す効果があります

認知拡大にもつながり、新規顧客獲得にも効果的です。ユーザーの実体験に基づく口コミが広がることにより、ブランドの信頼度の向上にも寄与します。

参考元・画像引用元:WORKMAN/ワークマンプラス公式アンバサダーご紹介

株式会社サンリオ

キャラクターグッズの開発やテーマパークの運営などを行う株式会社サンリオは、メタバースを活用したバーチャルライブイベント「SANRIO Virtual Festival 2023 in Sanrio Puroland」を実施しました。

ユーザーはスマートフォンで気軽に参加し、サンリオキャラクターの音楽ライブなどを楽しめるというもので、期間中に多くのユーザーが参加しました。

キャラクターファンを巻き込んだイベントを展開し、ユーザー同士でコミュニケーションを楽しめる場を提供することで、キャラクターを中心にしたファンコミュニティの形成を実現しています。

参考元・画像引用元:SANRIO Virtual Festival 2023 in Sanrio Puroland 公式サイト

株式会社スノーピーク

アウトドア総合メーカーの株式会社スノーピークは、ファンマーケティングの一環として、都市型焚火イベント「URBAN TAKIBI TALK」というファンミーティングを実施しています。

同企画は、同社のファンとスタッフが焚き火を囲みながらキャンプの話をするというもので、キャンプ愛好者向けにファン同士が交流できる場を提供しています。ベテランキャンパーだけでなく、キャンプ未経験の方も参加できるイベントで、新規顧客獲得やユーザーのファン化にも効果的です。

スタッフがユーザーと垣根なく語り合うことで、企業への信頼度の向上や、愛着の強化にもつながります。

参考元・画像引用元:買い物帰り、仕事終わりに「焚火」をどうぞ。 | THE SNOW PEAK WAY

ベースフード株式会社

完全栄養食を開発・販売するベースフード株式会社は、『「健康があたりまえ」の世界を目指すユーザーと、食や栄養のプロフェッショナルたちが集う研究室』というテーマを掲げ、ユーザーコミュニティ BASE FOOD Laboを運営しています。

同サイトは同社の商品を定期購入している人向けのコミュニティサイトで、会員限定の投稿フィードの提供や、会員向けのオフラインイベントの実施を行っています。ファン同士のコミュニケーションを活性化することで、定期購入継続の促進や、離脱の防止などに効果的です。

健康志向のユーザーを中心に、ファンのフィードバックをもとに新商品の開発を進め、顧客のニーズに応えるマーケティング手法で成功を収めています。

参考元・画像引用元:ベースフード株式会社 BASE FOOD Labo

ファンマーケティングを成功させるポイント

ファンマーケティングを成功させるには、以下の3つのポイントを意識することが大切です。

  • 目的やファンの定義を明確にする
  • KPIの設定を工夫する
  • ファン同士が交流できる場を提供する

目的やファンの定義を明確にする

ファンマーケティングを成功させるためには、まずファンマーケティングを実施する目的を明確にすることが重要です。どのような成果を目指すのか、そして「ファン」とはどのような顧客を指すのかを具体的に定義する必要があります。

ファン層を明確にすることで、適切なアプローチやコミュニケーション手法を選び、より効果的な施策や成果につながる可能性が高まります。

KPIの設定を工夫する

KPI(重要業績評価指標)の設定を適切に行うことも、ファンマーケティングを成功させるためには欠かせません。具体的には、目標に合わせて以下のようなKPIを設定すると良いでしょう。

  • 売上関連:購買回数やLTVなど
  • エンゲージメント関連:フォロワー数やいいね数、アクション率、シェア数など
  • 顧客満足度関連:NPS(顧客満足度指数)、CSAT(Customer Satisfaction Score)など
  • コンテンツ関連:コンテンツの共有率、閲覧数など
  • 解約率

売上やリピート率、SNSでのエンゲージメントなど、ファンの行動を定量的に測る指標を工夫して設定することで、施策の効果を正確に把握できます。KPIを継続的に見直しながら、施策を改善していくことが成功への鍵です。

こういった指標を計測し、活用するためにも何から知らのマーケティングツールを活用し、計測・分析することをお勧めします。

参考:ファンマーケティングツール8選!間違えたくない選び方、活用メリットを解説

ファン同士が交流できる場を提供する

ファンマーケティングの成功には、ファン同士が交流できる場を提供することも大切です。SNSや専用のコミュニティサイト、リアルイベントなど、ファンが自発的に関わり合う環境を整えることで、ファン同士の絆が深まり、ブランドへの忠誠心が一層高まります。

ファンのネットワークが拡大することで、新たな顧客を巻き込む効果も期待できます。新規顧客獲得にかかる費用の削減にもつながるでしょう。

ファンマーケティング実施時の注意点

ファンマーケティングを実施する際に大切な4つの注意点について解説します。

ファンの視点に立って取り組む

ファンマーケティングでは、何よりもファンの視点を最優先に考えることが重要です。企業側の利益だけでなく、「ファンがどのような価値を感じているか」「ユーザーの本当のニーズは何なのか」を的確に理解し、その期待に応える形での施策が求められます。

売り込みではなく「巻き込み」を意識する

ファンマーケティングでは、強引な売り込みよりも、「いかにファンを巻き込んでいくか」ということを意識することが大切です。ファンが自発的に関与できる施策を展開することで、ファンとの信頼関係が強化されます。

新規・既存に関わらず参加できる機会を作る

ファンマーケティングでは、新規顧客だけでなく既存ファンも大切にし、誰でも参加できる機会を設けることが重要です。

熱狂度の違いに関わらず、新規ユーザーと既存ファンをバランスよく巻き込むことで、新規ユーザーを排除する閉鎖的なコミュニティになることを防ぎ、ブランド全体の活性化が図れます。

中長期的に取り組む必要がある

ファンマーケティングは短期的な施策ではなく、中長期的な視点で取り組む必要があります。長期的な視点で売上につなげていく、ストック型のマーケティング施策であることを覚えておきましょう。

ファンとの信頼関係は一朝一夕には築けないため、長期的な計画と忍耐強いアプローチが求められます。

参考:ビジネスにおけるファン作りとは?ファンマーケティングの事例やファン作りのポイントを解説

事例をもとに、何から始められるか検討しよう

本記事では、ファンマーケティングの基礎知識やメリット、成功させるポイント、そして実際の成功事例10選などを解説しました。

ファンマーケティングは、ブランドとファンの深い関係を築くための効果的な手法です。新規顧客の獲得や収益の安定化、ファンコミュニティの形成といったメリットを享受しつつ、長期的な視点で施策を展開することが成功の鍵です。

ファンマーケティングの成功事例を参考に、自社に最適な方法を見つけて実践してみてください。



メタバッジ概要資料

フォーム入力後、資料を閲覧できます。 メタバッジ概要資料

フォーム入力後、資料を閲覧できます。

  1. TOP
  2. 製品
  3. Metabadge(メタバッジ)
  4. media
  5. コラム
  6. 【ファンマーケティング成功事例10選】成功のための手法・メリット、注意点も解説!