アプリ継続率(リテンションレート)とは?メリットや計算式、改善施策を徹底解説

アプリ継続率(リテンションレート)とは?メリットや計算式、改善施策を徹底解説

アプリの継続率(リテンションレート)とは、ある期間にアプリをインストールしたユーザーのうち、その後も継続してアプリを利用しているユーザーの割合を示す指標です。多くの企業がアプリをリリースする現在、単にダウンロード数を増やすだけでなく、いかにユーザーに定着してもらうかがビジネスの成否を分ける重要な鍵となっています。
本記事では、アプリの継続率(リテンションレート)の正しい定義や計算方法から、数値が低下してしまう原因、そして継続率を高めるための具体的な改善施策について解説します。
この記事は、以下のような悩みやニーズをお持ちの方におすすめです。

  • アプリのダウンロード数は増えたが、すぐにユーザーが離脱してしまう
  • 継続率(リテンション)の計算方法や、なぜ重要なのかを正しく理解したい
  • LTV(顧客生涯価値)を最大化するための具体的な施策を知りたい

このような課題をお持ちのアプリマーケティング担当者やCRM担当の方に特におすすめとなっています。

 なぜアプリマーケティングで「継続率」が重要なのか

なぜアプリマーケティングで「継続率」が重要なのか
アプリ運用において、なぜ新規獲得よりも「継続率」が重要視されるのでしょうか。その背景には、獲得コストの高騰やビジネスモデルの変化があります。ここでは、継続率を高めることがもたらす3つの主要なメリットについて解説します。

 新規獲得コスト(CAC)の高騰と限界

近年、アプリ市場の飽和に伴い、新規ユーザーを1人獲得するためにかかる費用(CAC)は年々上昇傾向にあります。広告を出して新規ユーザーを獲得しても、そのユーザーがすぐに離脱してしまえば、かけたコストを回収することができません。
継続率が低い状態で新規獲得にお金をかけるのは、底の抜けたバケツに水を注ぐようなものです。まずは継続率を高め、獲得したユーザーを逃さない体制(穴を塞ぐこと)を整えることで、広告費の無駄遣いを防ぎ、投資対効果(ROI)を最大化することができます。

 LTV(顧客生涯価値)への直接的な影響

LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)とは、一人のユーザーがアプリを利用し始めてから利用を終えるまでの間に、合計でどれだけの利益をもたらしてくれるかを示す指標です。
アプリの収益モデルが広告収入であれ、課金であれ、ユーザーがアプリを長く使い続ければ続けるほど、LTVは向上します。継続率の改善はLTVの向上に直結し、LTVが高まれば、それだけ新規獲得にかけられる予算も増やすことができるため、ビジネス全体が好循環に入ります。

関連記事:LTV(顧客生涯価値)とは?重視される背景や計算方法,向上施策を徹底解説

 ロイヤルユーザー育成の基盤となるため

継続率が高いということは、ユーザーがアプリの価値を理解し、日常的に利用している状態を意味します。こうしたユーザーは、単なる利用者から、アプリやブランドに愛着を持つ「ロイヤルユーザー(ファン)」へと成長する可能性を秘めています。
ロイヤルユーザーは、高頻度での利用や課金だけでなく、SNSでの口コミ拡散や友人への紹介など、新たなユーザーを連れてくる「アンバサダー」のような役割も果たしてくれます。継続率を高めることは、こうした強力なサポーターを育成するための第一歩なのです。

関連記事:ロイヤルカスタマーとは?優良顧客との違いやメリット、育成方法を徹底解説

 ユーザーの継続率が下がる主な原因


対策を講じる前に、なぜユーザーがアプリから離れてしまうのか、その原因を理解しておく必要があります。多くのアプリで共通して見られる、代表的な3つの離脱原因について解説します。

 オンボーディング(初回体験)の複雑さ

最も多くのユーザーが離脱するのは、インストール直後の「Day1」から「Day7」の間です。この期間の離脱の主因は、オンボーディング(初回利用時の導入体験)の失敗にあります。

  • 会員登録の手順が多すぎて面倒
  • 使い方の説明(チュートリアル)が長すぎてスキップされる
  • アプリの価値や使い方が直感的にわからない

ユーザーは「便利そう」「楽しそう」という期待を持ってインストールしますが、使い始めにストレスを感じると、その期待はすぐに失望へと変わり、二度とアプリを開かなくなってしまいます。

 コンテンツ不足・更新頻度の低さ

初期段階を乗り越えたユーザーでも、アプリを開くたびに同じ情報しか掲載されていなければ、徐々に飽きてしまいます。
特にニュースアプリやECアプリ、メディア系アプリにおいては、情報の鮮度が命です。「いつ開いても新しい発見がある」という状態を作れなければ、ユーザーの訪問頻度は下がり、最終的にはアンインストールや休眠ユーザー化につながります。定期的なコンテンツ更新や、季節に合わせたイベント企画などが不足していると、継続率を維持することは困難です。

 過度な通知や広告によるストレス

ユーザーを呼び戻そうとするあまり、プッシュ通知を頻繁に送りすぎることも逆効果となります。

  • 深夜や早朝の通知
  • 自分に関係のないセール情報
  • 操作を遮る頻繁な全画面広告

これらはユーザーにとって「ノイズ」でしかありません。有益な情報であれば歓迎されますが、企業都合の押し付けがましいコミュニケーションは、ユーザーに「通知オフ」の設定をさせるか、最悪の場合はアプリの削除を決断させる直接的な原因となります。

 アプリの継続率を改善・向上させる5つの施策


ここからは、低下してしまったアプリの継続率を回復させ、ユーザーに長く定着してもらうための具体的な5つの施策を紹介します。

 1. プッシュ通知のパーソナライズと最適化

プッシュ通知は、休眠しかけているユーザーをアプリに呼び戻す最も強力な手段ですが、前述の通り「送り方」を誤ると逆効果になります。重要なのは「One to One(個への最適化)」の視点です。全ユーザーに同じ内容を一斉配信するのではなく、ユーザーの属性や行動履歴に基づいてセグメントを分け、最適なタイミングと内容で配信する必要があります。
具体的には、ECアプリで商品をカートに入れたまま離脱したユーザーへリマインドを送ったり、「あと1回の利用でランクアップします」といった個別のメリットを提示したりする方法が有効です。また、ユーザーが最もアプリを開きやすい通勤時間やランチタイムなどを分析して配信時間を調整することも大切です。「自分に関係がある」「今知れてよかった」と思わせる通知であれば、ユーザーは好意的に受け取り、再訪のきっかけとなります。

 2. チュートリアル・オンボーディングの改善

インストール直後の離脱(Day1継続率の低下)を防ぐためには、オンボーディングプロセスの改善が不可欠です。ユーザーがアプリの価値を「なるほど、便利だ」と実感する瞬間にいかに早く到達させるかが勝負となります。
まずは会員登録などの入力ステップを最小限にし、機能の利用体験を優先させる設計が効果的です。また、静止画の説明文を読ませるのではなく、実際に操作しながら使い方を学べるインタラクティブなガイドを導入したり、「あとどれくらいで設定が終わるか」を示すプログレスバーを表示して心理的負担を減らしたりすることも、離脱防止に大きく寄与します。初期設定でのつまずきを無くし、スムーズに利用開始できるように導線を設計し直しましょう。

 3. アプリ内メッセージ(ポップアップ)の活用

プッシュ通知が「アプリの外」にいるユーザーへのアプローチであるのに対し、アプリ内メッセージは「アプリを利用中」のユーザーに対する接客です。
ユーザーが特定の画面を開いたタイミングや、操作に迷っていそうなタイミングを見計らい、適切なガイドやキャンペーン情報をポップアップで表示します。操作の邪魔にならないよう配慮しつつ、ユーザー体験(UX)をサポートすることで、満足度を高め、次回の利用意欲へと繋げることができます。適切なタイミングでのサポートは、ユーザーに「親切なアプリだ」という印象を与え、継続利用の動機になります。

 4. ゲーミフィケーションとインセンティブ

アプリを利用すること自体を「楽しい」と感じさせる仕掛けとして、ゲーミフィケーションの要素を取り入れるのが効果的です。人は「目標を達成したい」「報酬を得たい」という心理を持っています。これらをアプリ体験に組み込むことで、自然と「また明日も開こう」という動機づけが生まれます。
代表的な例として、毎日起動するだけでポイントやアイテムがもらえるログインボーナスや、特定の条件を達成すると付与されコレクション欲求を刺激するバッジ・称号システムなどが挙げられます。さらに、他のユーザーとスコアを競わせるランキング機能なども、継続的なアクセスを促す強力なフックとなります。

関連記事:ゲーミフィケーション成功事例10選!マーケティングに活用する方法も解説

 5. ファンマーケティングによるコミュニティ化

機能的な利便性だけでなく、「このアプリ(ブランド)が好きだから使う」という感情的な結びつきを強化することも、長期的な継続率向上には有効です。これを実現するのがファンマーケティングです。
アプリ内にユーザー同士が交流できるコミュニティ機能を持たせたり、熱量の高いユーザー向けの限定イベントを開催したりすることで、ユーザーの帰属意識を高めることができます。「ここに仲間がいるから使い続ける」という状態を作り出せれば、競合アプリへの乗り換えも防ぐことができるでしょう。

関連記事:ファンマーケティングとは?定義や手法、成功事例をわかりやすく解説!

 まとめ:継続率はアプリ成長の重要指標

アプリの継続率は、単なる管理画面上の数字以上の意味を持ちます。それは、提供しているアプリがユーザーにとって「生活に不可欠なもの」になれているかどうか、その価値を映し出すバロメーターそのものです。
改善の第一歩は、まず自社アプリの現状を正しく把握することから始まります。Day1、Day7、Day30といった主要な指標を定点観測し、ユーザーが離脱しているタイミングが「利用開始直後」なのか、それとも「ある程度使い慣れてから」なのかを見極める必要があります。離脱のタイミングが特定できれば、それがオンボーディングの複雑さに起因するものなのか、あるいはコンテンツのマンネリ化によるものなのか、原因を絞り込むことができるでしょう。
課題の所在さえ明確になれば、オンボーディングの動線改善やゲーミフィケーションの導入など、打つべき施策もおのずと見えてきます。新規ユーザーの獲得競争が激化している今こそ、獲得した既存ユーザー一人ひとりを大切にし、長く使い続けてもらうための「リテンション施策」に本腰を入れることが、アプリビジネスを確実な成長へと導く最短ルートと言えるでしょう。

 アプリの継続率向上ならMetabadge


本記事では、アプリの継続率を向上させる施策を解説しましたが、いざ実践するとなると、「プッシュ通知を送っても反応が鈍化している」「コンテンツの更新が追いつかず、ユーザーが飽きて離脱してしまう」「ゲーミフィケーションで定着を促したいが、開発リソースがない」といった壁にぶつかることも少なくありません。
そのような「継続率(リテンション)」の課題解決に特化したツールが、クラウドサーカス社が提供する「Metabadge(メタバッジ)」です。

 「飽き」による離脱を防ぐ、参加型コンテンツの簡単実装

リテンション低下の大きな要因の一つは、コンテンツのマンネリ化による「飽き」です。Metabadgeは、クイズ、診断、投票、ARといった「ユーザー参加型コンテンツ」をノーコードで簡単に作成・運用できるツールです。
アプリへの大規模な追加開発を行うことなく、Webviewなどでこれらを活用するだけで、「毎日の運勢占い(ガチャ)」や「クイズへの挑戦」といった日常的な起動動機を創出できます。ユーザーに「明日もまたアプリを開きたい」という習慣を自然な形で植え付けることで、Day7、Day30といった中長期的な継続率の底上げに貢献します。

 「デジタルバッジ」で行動を資産化し、長く使い続ける理由を作る

継続率を維持・向上させるためには、ユーザーの行動に対して適切な「報酬」を与え、達成感を感じさせることが不可欠です。Metabadgeの中核機能である「デジタルバッジ」は、アプリ内の特定ページ閲覧やログイン、イベント参加といった行動に応じてバッジを付与し、ユーザーのエンゲージメントを可視化します。
集めたバッジはマイページでコレクションとして蓄積されるほか、保有状況に応じた「会員ランク」の設計も可能です。「せっかく集めたバッジやランクを手放したくない」という心理が働くため、他社アプリへの乗り換えやアンインストールを強力に抑制し、LTVの高いロイヤルユーザーへの育成を加速させます。

 データ分析で「定着するユーザー」の傾向を可視化

「どの施策が継続率改善に効いているのか見えにくい」というのも、アプリ担当者が抱える共通の悩みです。Metabadgeは、コンテンツの参加率やバッジの取得状況、SNSシェア数などを分析するダッシュボード機能を備えています。
これにより、どの施策がユーザーの定着に寄与したのかをデータに基づいて把握し、次の施策改善や、よりパーソナライズされたアプローチへと繋げることができます。アプリの継続率向上でお困りの方は、ぜひ以下の資料をダウンロードして詳細をご確認ください。

アクション型ロイヤルティプログラム「Metabadge概要資料」

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